もがみののし袋

丹念につくられた藁の水引

縄は昔から、祝い事や豊作祈願の際にしめ縄や縁起物として扱われています。 最上地方では、昔から米づくりが盛んで、当時の農村では当たり前のように縄綯作業が行われていました。 今では藁を扱える人が少なくなったものの、細々と藁細工等の民藝品が作られています。藁は、乾燥させた後、石で叩いて柔らかく仕上げていかなければなりません。さらに、藁の水引は、藁稭(藁の芯の部分)を引き抜いて、さらに綺麗な部分だけを選別する作業の後に作られています。そして、小さい頃から藁に触れてきた経験と技で、しっかりと丁寧に綯われて出来上がりました。 一つ一つの行程に丹誠を込めて作られる水引は、大事な人を想い祝う気持ちが見た目にも感じとってもらえるようなモノとなりました。

八百年の歴史を漉いた長沢和紙 

800年の伝統を持つ長沢和紙は、山野に自生する「楮(コウゾ)」と「ノリウツギ」だけで作られた山形県最上郡舟形町の長沢地区で生産される和紙であり、舟形町の無形文化財にも指定されています。水の温度が低い寒の時期に漉く事で、紙の繊維が絡みやすくなり丈夫で良い和紙が出来上がります。しなやかで強く粘りのある長沢和紙は、昔、領主の幕府献上品や、出羽喇叭(でわらっぱ)の忍(しのび)衣装にも用いられていました。最上の環境、歴史、文化がぎっしり詰まった素朴で優雅な長沢和紙を、丹念につくられた藁の水引と合わせる事により、力強く最上らしい熨斗袋となりました。気品と謙虚さを兼ね備えた熨斗袋は、婚礼や出産などの祝儀の席に相応しい風合いです。
制作者の声
長澤和紙後継者 大場秀子
長沢わら工芸愛好会(阿部太・冨樫市男・八鍬朝吉・矢野哲夫)