もがみの暮らしは自然と暮らす

神室連峰を東に望む山形県最上地方は、日本有数の豪雪地帯。先人たちはこの土地で、毎年訪れる長い冬を知恵と技術をもって乗り越えてきました。今の豊かな食文化は、秋までの恵みを蓄える技術を発展させ、食糧を確保するために考え抜かれた賜物です。漬物や乾物・発酵食品が多い最上地方の郷土料理に、その名残は色濃く見ることができます農作業がない冬の間は、農村に暮らす人々は手仕事を生業として、あらゆる暮らしの道具を作っていました。米の収穫を終えたあとに藁を乾燥させておき、民具や工芸品をこしらえることはどの家でも行われていたことです。山で採れる質の良い木材や植物の蔓を扱うことに特化した職人もたくさんいました。自然に寄り添って暮らし、豊富な天然素材を使って、それぞれのライフスタイルに合わせて手仕事をする。もがみではものづくりは特別なことではなく、日々の暮らしの一部だったのです。