もがみに寄り添い手仕事をつづけるヒト

最上地方は11月後半から翌年4月までの約5ヶ月間、雪に閉ざされます。雪深いこの地で生活していくため、昔から知恵や工夫を凝らし暮らしてきました。昭和初期の農村では、翌年の農作業に備えて俵や蓑などを藁で作り、作業で使う籠などを山で採れる木通(あけび)や山葡萄の蔓で作っていたのです。昭和8年に日本で初めての雪害研究の拠点として、農林省積雪地方農村経済調査所(雪調)が新庄市に設立されました。以降、雪調は雪国の農民の暮らしを向上させるために、各地で民芸運動を行っていた柳宗悦、河井寛次郎、浜田庄司、シャルロット・ペリアン等を招集。雪国の暮らしを調査する中で、この地で最も秀でたものは何かと考え、民具を作る農民一人ひとりが持っている加工の技術に着目しました。その技術を基に民芸品のデザインをし、農民たちの技術で制作された作品が残っています。当時の人々が器用で、ものづくりの心があったことがそれらから見てとれます。 身近だった手仕事の風土は、今もなお人から人へと受け継がれています。